「九州北部豪雨について」
[井上あきお](1)昨年の豪雨災害では流木によって災害が拡大した。スギの人工林は根が浅いために崩れやすかったという意見もあるが、災害後の林野庁の調査結果によると「昨年のような膨大な雨量の場合は、根のはるかに下の部分から土砂崩れが発生しているので、地形や地質の影響が大きく、上に何が植わっていようと同じこと」というのが結論でした。このような中、効果的な「災害に強い森林づくり」はどうあるべきと考えるか?
[農林水産部長]急傾斜地では人工林を帯状に間伐して広葉樹林化する。下流域では河川沿いの樹木の伐採と合わせて流木を止めるスリットダムを整備する。森林の多面的機能を持続的に発揮させるために再造林や適正な森林管理につとめる。
[井上あきお]河川の護岸や山の土砂崩れ現場などで、梅雨までに工事が完了しない現場も多い。梅雨前の応急措置を行う必要があるがどうか?
[土木建築部長]道路については、危険個所に法面崩壊に備えた大型土のうを設置しているが、引き続きパトロールによる点検を行う。河川・砂防についても、河床掘削による流路の確保、寄せ石や大型土のうによる川岸の補強を行うなど必要な措置を講じているところである。
[井上あきお]日田市では約50世帯が自宅に戻れずに、みなし仮設住宅などで生活している。一カ所にまとまる仮設住宅と違い、みなし仮設住宅では被災者が離れて別々に生活するため、孤独感が深まることが多いと聞いている。みなし仮設住宅に入居している避難者の心身のケアをどう考えるか?
[福祉保健部長]日田市や県の保健師・ケアマネージャー等が戸別訪問などにより全世帯の心身状態を把握してきた。52世帯136人のうち不眠など訴えるのは9世帯9人。日田市などの保健師が健康相談に応じ、困難事例が出れば県の保健師が対応する。残り43世帯は1人暮らしや高齢者を中心に再度状況を確認した。そのうち12世帯で見守り体制などをとっていく。今後も市と連携してケアに取り組む。
(まとめ)被災地の住民の皆さんは、たび重なる災害がトラウマとなり、梅雨入りに大変な不安を抱いています。復旧計画は計画として、急を要する場所については柔軟な対応が必要です。避難している皆さんに対しては、県としていろいろな形で、市を支援して被災地の皆さんへの対応を、引き続き行うよう要望しました。