3月県議会で一般質問を行いました。今日から項目ごとに報告します。
最初の質問は、大分県が日本一を目指す3つの項目のうちの一つである「障がい者雇用率日本一について」です。
[井上あきお] 障がい者雇用の先駆者ともいえる「太陽の家」の存在もあり、全国的に障がい者福祉の先進県となった大分県は、障がい者の雇用が法定義務化されて以降、昭和62年から平成15年にかけて17年連続で雇用率が全国1位となるなど、名実ともに障がい者雇用率日本一の県として名を馳せた。
その後、多くの自治体が障がい者の就労支援に力を入れるようになったこともあり、平成19年以降1位の座からは遠ざかっているが、広瀬知事の下、再び日本一の座を奪還すべく、県政の政策目標の3つの柱の1つに掲げて施策を推進している。
ところが、プラン2015策定時には全国2位であった大分県の障がい者雇用率は、一昨年には、雇用率は上昇したものの3位へと後退し、さらに昨年は雇用率自体が低下し、順位も5位まで後退した。
日本一奪還をめざす大分県としては、4月に予定されている法定雇用率の改正を機に、さらなる施策の充実が必要となるがどう考えるか?
[広瀬知事] 新年度は次の点に力を入れていく。
- 障がい者の雇用を新たに義務づけられる従業員46人以上50人未満の事業所に、助言や障がい者とのマッチングを行って重点的に働きかける。
- 大分県が雇用率全国1位の身体障がい者に比べて、知的及び精神障がい者の雇用率は全国中位である。支援を強化するため、障がい者への相談や作業指導を担う社員を配置する企業への奨励金制度を創設する。
- 障がい者の職場への定着を支援するため、就職先の従業員への研修を通じて障がい者への理解を深める。特別支援学校の就労支援アドバイザーを増員し、企業の担当者との情報交換を行い、障がい者に対する支援の充実を目指す。
- 一般企業への就労がむつかしい障がい者を雇用する、就労継続支援A型事業所が規模拡大を図る際に新たな助成を行い、雇用の受け皿を確保する。
大分県の障がい者福祉の礎を築いた先人の思いを大切にしながら、障がい者雇用率日本一の早期奪還を目指したい。
(まとめ) 障がい者の皆さんの雇用率を上げるためには、周囲の皆さんの理解も含めて、各企業に向けての地道な取り組みが必要です。一昨年4月から施行されている「障害のある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」がより実効性のあるものとなるためにも、ひとつひとつの施策について、今後とも十分な検証を行う必要があります。
(以下、大分合同新聞より引用)
障害者の雇用義務拡大 来月から74社も対象
法改正により、民間企業の法定雇用率は現行の2%から2・2%となる。適用対象もこれまでの従業員50人以上の企業から46人以上へと拡大される。
県によると、雇用義務が発生する74社を聞き取り調査したところ、既に22社で計31人の障害者を雇っていた。52社について、県は労働局と連携しながら雇用を促しており、「約4割が前向きに検討しているのではないか」という。
県議会で広瀬勝貞知事は「日本一奪還を目指す」と強調。▽知的・精神障害者を雇用した場合の奨励金制度の創設▽働き続けるための定着支援―などを重点項目にする方針を述べた。
井上明夫氏(自民)の一般質問に答えた。