近年、教員の多忙化が問題になっており、その原因は「部活動指導」、「保護者・地域への対応」、「会議・研修・出張」、「報告書作成」など多岐にわたっています。教員が様々な課題に対応することは必要なこととは言え、多忙化によって本来の目的である子どもに学力をつけさせるための教育水準が維持されないことになれば本末転倒です。
また、教育水準は県内どこに住んでいても同様に確保されなければなりません。
そのような観点を踏まえて質問しました。
(1) 部活動指導員
[質問] 教員の多忙化の原因として一番に挙げられるのは、部活にかかわることで多くの時間を費やすことである。文部科学省は地域のスポーツ指導者を、中学・高校の職員である部活動指導員として学校教育法施行規則に明記し、4月に施行することを決めている。
これを受けて中体連や高体連、高野連は、原則教員に限っていた大会への生徒の引率を、部活動指導員ができるように規定を改める方針だ。県教育委員会は、今後の部活動指導員の採用や研修について、どのように考えているか?
[教育長] 部活動指導員制度の導入は顧問教諭の負担軽減につながる一方、指導内容や方法、生徒の現状把握、事故発生時の責任体制など、解決が必要な課題も多い。採用の勤務条件も含め、整理すべきことも多く、導入予定の県や市の状況を調査しながら検討したい。
(2) スポーツ国際交流員制度(SEA)について
[質問] SEAはいわゆるALTのスポーツ版であり、強豪国のスポーツ指導者が、地方公共団体のスポーツを通じた国際交流および競技力の向上をサポートする取組である。
競技力向上のために、すでに導入している県も多く、専門の技術や知識を持ったSEAが指導することにより、教員が時によっては慣れない種目の部活動の顧問になり、ことさら多くの時間を費やすことが減るのではないか、県の考えは?
[教育長] SEAの活動には、部活動顧問の同伴が必要という制約はあるが、競技を通じた地域の人々との交流や地域の地震につながるなど活性化が期待できる魅力ある制度である。大分県では29年度からの導入に向けて対象競技の選定や配置先など準備を進めているところである。
(3) 教員の配置について
[質問] 県立学校の教員には、全県一区で人事異動が行われることが浸透しているが、小中学校の教員は居住する市町村への異動希望が強くなる傾向がある。そのため正規採用されている教員は、居住地域が集中している大分市周辺などの都市部を希望することが多く、その結果、周辺部の市町村の学校では臨時講師の比率が高くなっている。
今後、新採用教員の10年3地域ルールだけでなく一般教員の広域異動を進めれば、より一層地域間格差が是正され、県内全域で一定の教育水準が確保されると思う。一般教員の広域異動を進めるための制度は適切に機能しているか?
[教育長] 大分県の教員構成の課題は、臨時講師の比率の高さと、50才以上の比率が半数近いことである。全県的な教育水準の向上のため、若年期の広域異動を推進してきた。
市町村間の臨時講師比率の格差は、過去に27ポイントあったが、28年度には11ポイントまで縮小した。
中堅期の広域異動の制度もあるが、十分にできていないので市町村間の年齢構成のアンバランスが解消していない。今後、改善に向けて取り組む。
[まとめ] 学校教育についての質問の最後に、北海道の教員のブロック別採用などの事例もあげました。
教員の多忙化の解消や適切な教員配置により、県内の教育水準が一定以上のレベル以上に保たれる指導ができるような施策の充実につなげていきます!!