(1)幼稚園教諭免許の更新について
(この質問については9月15日の大分合同新聞朝刊に記事が掲載されました)
平成27年度から新たな認定こども園制度が導入された結果、幼保連携型認定こども園で働く教員は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の二つの資格を持つことが必要となりました。幼稚園教諭免許は教員免許であるため、10年に一度更新のための講習を受けなければなりません。
現在、保育士養成施設を卒業する際には、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を取得する方がほとんどですが、保育園に勤務していた人は、これまで幼稚園教諭免許状の更新が必須でなかったことから、更新をしていないケースが多くあるのが実態です。
平成31年度までは経過措置期間として、幼稚園教諭免許状又は保育士資格のいずれかを有していれば良いとされていますが、大分県では免許更新のための講習が不足しており、平成31年度までに幼稚園教諭免許状の取得ができずに、幼保連携型認定こども園で働くことができなくなる人が多く発生するのではないかという危惧があります。
(質問)現在、幼稚園教諭免許状の更新に係る講習を開設している大分大学の講習だけでは不足しているが、経過措置期間だけでも私立学校が講習を開設することができるように助成することができないか?
(福祉保健部長)
県内では大分大学と放送大学しか定期的に免許更新のための講習を実施していないため、開設の働きかけを行っている。
保育士・保育教諭の確保は待機児童ゼロを目指す本県にとっても大変大事なのでしっかり対策をこうじる。
(2)幼児教育センターについて
文部科学省は幼児教育を推進するなかで、現状では「幼稚園・保育所・認定こども園等の幼児教育施設の教職員に対する研修体制をはじめ、地方公共団体における幼児教育の推進体制は必ずしも十分でない」として都道府県に「幼児教育センター」を設置し、地域における幼児教育の拠点の在り方について調査研究を行うことを勧めています。
(質問)平成28年度中に14の自治体に「幼児教育センター」が設置され今後増えていくようだが、大分県での設置の方針は?
(教育長)
幼児教育の充実のため、教職員の研修の充実を図るとともに、幼児教育アドバイザー等の専門性の高い人材の育成・配置が進むように取り組みたい。「幼児教育センター」の設置については他県の動向を見ながら調査研究したい。
(3)「森のようちえん」について
「森のようちえん」は自然の中で子どもたちを遊ばせてその体験を通して育てるやり方で、森で過ごした子どもたちは、身体が鍛えられるとともに感性が磨かれ、コミュニケーション能力のほか、協調性や創造性が高まるという研究結果も出ており、幼児教育の分野だけでなく森林の効用の面からも注目を集めています。
現在、世界各国で広がっており、日本でも鳥取県・三重県・長野県など行政が認証支援するケースも広がりつつあります。
(質問)豊かな森林を有する大分県として、また、魅力的な教育現場を作り人を呼び込むためにも、「森のようちえん認証制度」の導入についてどう考えるか?
(福祉保健部長)
自然環境に親しみ、子供が自然の中で遊び学ぶことは大変意義深い。「森のようちえん」の活動は、森林環境税の活用などで子育て世代やその子供たちの自然体験の機会を今後増やしていきたい。
(まとめ)
幼稚園教諭免許の更新については、経過措置期間に対象者全員が更新できるよう、県として実態を把握して対応するよう求めました。
OECD(経済協力開発機構)でも「幼児教育・保育への投資は社会全体にもたらす経済効果が最も高い」と指摘しています。
大分県を今後豊かな県にしていくためにも、幼児教育・保育への投資をしっかり行っていくように要望しました。