大分県議会一般質問(2)〜私立高校におけるICT環境について他(新聞記事あり)

①私立高校におけるICT環境について

[井上明夫]コロナ禍もあって教育現場ではICT環境の整備が一気に進んだ。大分県では公立高校で1人1台端末を100%配備している。公教育の一端を担う私立高校での1人1台端末の整備をどのように促進するのか?
[生活環境部長]今年4月の調査では、県内の私立学校の端末整備率は42%である。私立高校の今後の方針を調査したところ、大半が個人購入による整備を検討している。1人1台端末については、各学校での議論を踏まえて効果的な促進策を検討する。


(まとめ)私学関係の団体からも「私立学校でのICTを活用する教育の推進支援について」の要望も出ている。公立・私立が同じ教育環境の中で切磋琢磨することが、大分県の教育レベルの充実につながります。

②日田林工高校の林業科を全国募集に!

 [井上明夫]地域の県立高校では定員割れの学科も多い。例えば日田林工高校の林業科では、今年40人の定員に対して15名の欠員となっている。全国募集枠を設けて、日本有数の林業地の日田市に、全国から林業家を目指す生徒を集めるぐらいの思い切った見直しが必要ではないか?
[教育長]全国募集については、他校にない学びなど、学校の一層の特色化や県内外の生徒がお互いに向上する環境づくりをすることで、学校の活性化につながる。学校と地域との連携の状況を踏まえながら、県内の先行事例を参考として検討したい。

(以下、大分合同新聞から引用)

大分県内の学校、タブレット端末導入に格差 私立校42%、公立校は100%

放課後にタブレットを使って自習する生徒たち=昨年6月、大分市の大分西高

県内の学校で児童生徒にタブレット端末などの情報通信機器を配備した割合は、高校を中心に公立と私立で大きな差が生じている。県や県教委によると、公立は新型コロナウイルス禍のオンライン授業で導入が進み、公費で1人1台を配り終えた一方、私立で完了したのは42%にとどまる。予算の問題などから多くが個人で負担しているのが実情で、私学関係者は支援を求めている。
 文部科学省が4月、全国の私立小中高校を対象に、昨年度末までに1人1台の導入を済ませたかを調査した。県内は計19校のうち、完了したと答えたのは8校(42%)だった。全国平均と同率という。内訳は小学校1、中学校4の計5校が全て終えている。高校は14校のうち3校と進んでいない。
 大分市内のある私立高は、学校に備えている端末を生徒が共有して活用している。全員に行き渡らせることができれば、ペーパーレス推進、実験などの動画視聴で授業の理解が深まる―といったメリットを見込める。
 ただICT(情報通信技術)導入を担当するスタッフは「一人一人に配るなら、生徒に購入してもらうほかない。端末は安くないので、負担をしてもらうのがためらわれる」と全員の導入には踏み切れない理由を説明した。
 文科省の調査でも配備を終えた私立高のうち、およそ75%で生徒が個人購入している実態が分かった。14日の県議会一般質問で、井上明夫氏(自民)は「私学関係の団体からICTを活用した教育支援の要望が出ている。公立、私立が同じ教育環境で切磋琢磨(せっさたくま)することが大事だ」と訴えた。
 私学振興を管轄する高橋強生活環境部長は「1人1台の整備は、学校設置者が経営状況なども踏まえ総合的な判断でしている。各学校での議論を踏まえ、効果的な促進策を検討する」と答えた。

<メモ>
 県は新型コロナ1年目となった2020年度、私立小中高の端末導入などにかかる費用を国と合わせて計約9千万円補助した。県教委によると、県立高(39校)、市町村・県立の小中、義務教育学校(計366校)はそれぞれ1人1台の導入が終わっている。

※この記事は、9月15日 大分合同新聞 24ページに掲載されています。