日本人は「言霊(ことだま)」にとらわれている(^^;

 日田ロータリークラブの50周年記念式典・講演会が、広瀬大分県知事・原田市長。赤山ガバナー他多数のご来賓の皆さんのご臨席のもと、パトリア日田で開催されました。

 午後4時からの記念講演会は作家の井沢元彦氏の「歴史から見た日本人の危機管理」。古来からの日本人の「言霊(ことだま)」信仰の負の側面が「日本人の危機管理能力の欠如」につながっているということを、さまざまな実例をあげながら講演しました。たとえば一例を要約すると次のとおりです。
(要約開始)
*日本では先の見通しに関して否定的なことを言うと、「縁起でもないことを言う」といって疎んじられる傾向がある。それは言葉に魂があると信じられているから。

*旧日本海軍の山本五十六元帥が日米開戦に対して否定的な見方をしたがゆえに、海軍の中枢からはずされたのはひとつの例である。

*その一方で、日米開戦後の見通しが甘く、威勢のいいことばかり唱える人たちが国の中枢に関わり、結局日本は敗戦に導かれた。

*このように「言葉に出すと本当に起きるから悪いことは言うな」という言霊信仰が危機に対応する思考を停止させている。

*「憲法の改正」や「集団的自衛権の容認」に対する議論でも、不測の事態に対応するための現状変更に対して「悪いことを考えたくない」という理由で思考停止している人が多いのも「言霊信仰」の負の側面を表している。

*ただし、言霊信仰にはいい部分もあり、日本が中国より早く文学がさかんになったのは日本民族が言葉にこだわる民族だったからである。

(要約終わり)

 この話を聞いて私が思い出したのは、昭和50年前後に甲子園に出た日田林工を家族そろってテレビの前で応援していた時のこと。
 2点を追う日田林工9回の攻撃で1死1塁となった時、私はなにげに「ダブルプレーかも」とつぶやきました。
 すると次の打者が内野ゴロを打ってダブルプレーでゲームセット。
 次の瞬間、私の父が憮然として言いました。「おまえがいらんことを言うから林工が負けた!」(笑)

 なるほど日本民族は「言霊」にとらわれている(笑)

260614ロータリー50周年