30日は午前中に広島修道中学・高等学校を訪れました。
ここは戦前より各界に人材を輩出してきた男子校です。1725年(享保10年)に広島藩主浅野吉長が「講学所」を設置して以来、約290年の歴史を有しています。なお、校名からキリスト教系と間違われやすいのですが、藩校を起源としており、校名は中庸の言葉に由来しています。
中学入試では、約280名の募集に対し、例年1100名前後の受験者を集めています。以前は高校入試も100名以上の募集がありましたが近年は約5名ほどとなり、完全中高一貫に近付いています。
ここでは各教室の黒板の上に近距離から照射できるプロジェクターが設置されており、教師はキーボードを付けられるA4サイズのタブレットでパワーポイントを使っていました。
また、この装置は電子黒板としても使えるそうです。ICTを活用する上で子供たちに何を持たせるか(ノートパソコンか?A4タブレットか?アイパッドか?)は、現在検討中だそうです。ICTの導入に積極的な姿勢の見える学校でした。(写真上)
午後からは広島学院中学・高等学校を視察しました。ここは昭和31年(1956年)にキリスト教のイエズス会が作った男子校です。創立者は「原爆で壊滅した広島を教育の力で励ましたい」というのが創立者の精神だったそうです。無差別な全国的に優秀な生徒の受け皿でなく、地域に根ざし、一人一人を大切にした (“Cura Personalis”)、全員で向上する雰囲気作りを大切にしているそうです。習熟度別授業は導入せず、チームワークを活かして、体育祭、文化祭、クラブ活動などに力を入れており、こうした取り組みの成果は、進学実績にも現れています。カトリック、イエズス会の教えにも根ざしており、その意味で、広島学院の伝統は始まったばかりともいえます。