サル・シカ・イノシシを里山整備で撃退!!

 滋賀県東近江市で有害鳥獣対策に関する行政視察を行いました。ここでの特徴は里山整備を通じた取り組みです。

 かつて薪や肥料、食料を供給する里山は村の暮らしに不可欠な存在でした。しかし、戦後の燃料革命により住民が山に入らなくなり、今や山林の荒廃は全国的な問題です。しかし、滋賀県東近江市では集落ごとに周辺の里山を整備、管理することによる「有害鳥獣対策」が行われています。

 ここ数年、有害鳥獣による被害が拡大する中で、東近江市は獣害対策として、農地と接する山際に緩衝帯と侵入防止柵を整備。集落に呼び掛け、住民主体で草刈りや施工の作業を進めました。すると「山もきれいにできないか」という声が起こりました。

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 そこで市は集落(自治会)で意見をまとめてもらい、国の造林補助制度を活用しながら、一つの里山を丸ごと整備をする方法をとりました。間伐材の売却益によって地元負担は実質ゼロであり、実際の作業は森林組合などが行っています。

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 山際の草刈りなど間伐整備後の管理は集落が共同で行い、里山に目を配る関係性が復活しつつあります。また、里山の整備がきっかけとなって、集落の結束が強まっているそうです。

 また、整備した里山の一部を利用して羊を林内放牧で飼育していますが、これにより(1)除草ができる(2)害獣がいやがって近づかない(3)癒される、というメリットがあるようです。

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 全国各地で「有害鳥獣対策」に頭をひねっています。人間が山に行かなくなった分、いわゆる「害獣」のテリトリーが広がったと言えるので、いかに人間が身近な自然を有効活用するかがポイントだと思います!!