天ケ瀬温泉の復旧に向けて❢❢(新聞記事あり)

 令和2年豪雨で被災した天ヶ瀬温泉の玖珠川改修について県と市が開催した説明会に行きました。

 川とマッチした景観の天ヶ瀬温泉街の雰囲気と安全を両立させるのはなかなかむつかしいことですが、3月議会での私の質問に対して廣瀬知事は「まちづくりと治水が折り合う将来像について地域の思いを束ねていくことが重要」と答弁しています。

 天ヶ瀬温泉にとって新しい魅力のはじまりとなる計画がまとまることを目指します!

(以下、大分合同新聞より引用)

天ヶ瀬温泉街の玖珠川流量2倍に 大分県が改修計画、立ち退き30軒

昨年7月の記録的豪雨で氾濫した日田市天瀬町の玖珠川の改修について、大分県は26日、天ケ瀬温泉街の約2キロ区間で左岸側を中心に拡幅し、従来の約2倍の流量に対応できるようにする計画を明らかにした。それを上回る昨年の豪雨レベルの水量では再氾濫を防げないものの、床下浸水(50センチ以下)まで被災規模を低減できるとの見通しを示した。災害から約1年を前に、治水対策の方向性が見えてきた。
 昨年の豪雨の最大流量が記録の残る1955年以降で最多の毎秒3400トンだったとの推計も明らかにした。その量を安全に流すには大掛かりな拡幅が必要で、観光地としての存続が難しいため見送った。県は9月までに計画を固め、来年4月から用地取得や詳細設計に着手する考え。
 市天瀬公民館で住民説明会があり、県日田土木事務所の岡本文雄所長らが住民約50人に計画案を説明した。昨年10月の説明会で▽主に左岸の川幅を広げる▽川底を掘る▽堤防を造るーという手法を伝えており、この方針に変更はない。
 左岸は最大約12メートル拡幅する。全体の川幅を少なくとも57メートル確保し、護岸を擁壁で固める。民家や店舗など約30軒が立ち退きの対象になる。
 川底は最大1メートル、掘削する。川底や川沿いには泉源が約20カ所あり、工事で影響を受ける場合は県が補償する。
 県によると、同温泉街では流量が毎秒1390トンを超えると浸水が始まる。工事後は同2580トンまで耐えられるようになるという。
 説明会の質疑応答で反対意見は出なかった。自身の旅館が立ち退きの対象になっている天ケ瀬温泉旅館組合長の阿部信明さん(61)は、温泉街近くの安全な場所で別の事業を始めたいという。
 「さみしさはあるが、治水のためには仕方ない。温泉街の情緒がなくならないよう、一帯に桜を植樹し、擁壁に明るいデザインを施すなど、みんなと振興策を考えていきたい」と話した。

<メモ>
 玖珠川は昨年7月7、8日にかけて2回氾濫し、日田市の天ケ瀬温泉街に甚大な浸水被害をもたらした。赤岩地区では民泊経営の女性=当時(72)=が濁流に流されて亡くなった。建物被害も相次ぎ、民家や旅館、ホテルなど計119棟が損壊。天ケ瀬温泉旅館組合に加盟する14軒のうち半数が営業再開できていない。玖珠、九重町も含めた玖珠川全体の河川整備計画は県が来年3月までに策定する。