任期満了に伴う日田市長選挙は7月9日に投開票され、新人の椋野美智子さんが新たに日田市の舵取り役を担うことになりました。
3陣営が争う激しい選挙でしたが、結果が出たあとはノーサイドということで、日田市民がひとつになって進んでいきましょう。
私としても県議の立場の中で、日田市と大分県がしっかり手を取り合って発展していくように頑張っていきます。
(以下、大分合同新聞より引用)
日田市長選、椋野氏が初当選 昭和の大合併以降、大分県内初の女性首長
任期満了に伴う日田市長選は9日、投開票され、新人で元厚生労働省官僚の椋野美智子氏(67)が現職の原田啓介氏(64)、新人で元市議の佐藤功氏(68)=いずれも無所属=を大差で破り、初当選した。昭和の大合併(1950~60年代)以降の県内市町村で、初めての女性首長となる。
前回(2019年)に続く2度目の挑戦だった椋野氏は特定組織に頼らない「市民党」を掲げ、少子化対策などを訴えた。原田氏の支持基盤である業界団体の一部から支援を受けるなど幅広い層に浸透。現職への批判票をうまく取り込んだ。
4選を目指した原田氏は主要な業界団体の応援を受けて組織戦を展開したが、票固めに苦戦。現職の強みを生かせなかった。
佐藤氏は市幹部職員と市議両方の経験を前面に打ち出したものの、浸透しなかった。
投票率は過去最低の58・10%(当日有権者数5万1561人)で、前回を6・56ポイント下回った。
椋野美智子氏の話 現職と争う選挙で、組織の締め付けなどに負けることなく、一人一人が日田の未来のために支えてくれた。その勇気と熱意を尊敬する。この勝利は夢を実現するスタートライン。子どもたちが誇れる素晴らしい日田を取り戻す。
■「市民党」掲げ現職支持の保守層にも浸透
<解説>9日に投開票された日田市長選は、新人の椋野美智子氏(67)が初当選を果たした。連合大分傘下の労組や教職員OB組織中心で惜敗した前回(2019年)を教訓に、「市民党」を掲げた戦略が功を奏した。
陣営は前回と同じく元市長の大石昭忠氏(80)らが指揮。現職支持の保守層にも積極的に働きかけ、建設業界の一部、前回、保守系候補として一定票を獲得した男性(48)から支援を受けた。交流サイト(SNS)を活用した子育て支援策の発信などで若年層の票も取り込み、選挙戦を優位に進めた。
現職の原田啓介氏(64)は業界団体中心の戦いが機能しなかった。最近は市議会で提出議案が「全会一致」で認められないなど求心力が低下。多選になるのを理由に、初当選時からの支持者で距離を置いた人もいた。
新人の佐藤功氏(68)は椋野氏との政策の違いを訴えたが、広がらなかった。
椋野氏は過疎高齢化、地域経済の疲弊、多様性ある社会づくりといった市政課題に臨む。県内ただ一人の女性首長という側面もあり、取り組みが注目される。
■「市民の協力仰ぎ夢を語れる日田市目指す」
椋野氏の陣営は日田市若宮町の事務所に約100人が集まった。午後10時ごろ、テレビで当選が伝えられると、総立ちになり大きな歓声が上がった。椋野氏は満面の笑みで登場し、一人一人と抱き合って喜びを共有した。
椋野氏は「市民の協力も仰ぎながら夢を語れる日田市を目指す」と力を込め、支持者らと拳を突き上げて勝利を祝った。
原田氏の陣営は市内中城町の事務所で約150人が開票を待った。落選の報にため息が漏れ、悔しさをにじませた。原田氏は「残念な報告となり、おわび申し上げる。結果にひるむことなく、次の時代に一歩を踏み出したい」と頭を下げた。
佐藤氏は市内東町の事務所に集まった支持者に対し、「私の力不足に尽きる。支援に感謝します」とあいさつした。