8万人のボランティアがサポーターとなって復興を後押し~宮城県七ケ浜町

260818七ヶ浜役場

 七ヶ浜町は仙台市から15kmほど北東に位置する半島状の町。人口は約2万1000人、面積約13.3k㎡。 名前の通り「7つの浜」に囲まれ、漁業や観光が盛ん。「菖蒲田(しょうぶ)浜」は東北で最も古い海水浴場といわれ、家族連れをはじめサーフィンのメッカとして若者にも親しまれています。

 東日本大震災では、最大12.1mの大津波が襲来。菖蒲田地区を中心に沿岸の集落が壊滅的な被害を受け、 被害状況は津波浸水面積4.2k㎡(町面積の31.7%)・死者104人・行方不明者4人 ・全壊675世帯・大規模半壊236世帯、半壊413世帯・一部損壊2,598世帯の家屋被害等で、全世帯のうちの約60%が何らかの被害を受けました。

260818七ヶ浜慰霊碑

 3年前の10月に我々「市政クラブ」の6名は、ボランティアの受け入れが充実しているということで、七ケ浜町の復興ボランティア作業に参加しました。今回は町役場として視察の受け入れも可能ということだったので、「復興の取り組みとボランティアセンターの活動について」「大災害時における議会の対応」のテーマで視察しました。

印象に残ったのは以下の点です。
(1) 地域防災計画の見直し
 平成22年に計画策定していましたが、23年3月の大震災の経験を踏まえて見直しています。見直したのは、防災体制・情報受発信・避難所運営・避難救助体制・災害時要援護者対策などですが、特に災害情報を如何に正確に、確実に届く形で伝えるかという所から始まっています。

(2) ボランティアセンターの活動
 この地域はいづれ大地震が来ると言われていたので、災害時のボランティア活動の効率的な受け入れ態勢について、9年前から準備していたようです。社協が中心となって受け入れて、これまで3年半の間に延べ8万人のボランティアを受け入れています。ボランティアの皆さんが一過性ではなく、サポーターとして長く七ケ浜町と関わるように、繋がりを保っています。

(3) 大災害時の議会の関わり
 このことは大災害の起きた自治体で必ず議論となるところですが、ここでは「七ヶ浜町議会災害対応指針」を定めています。
 それによると大災害時には「議会災害対策調整本部」を設置し、議員個々の所在地を常に確認しながら、当局の災害対応に協力・支援を行う。特に災害初期においては、議員から当局への要望は「議会災害対策調整本部」を窓口として一本化する。また、他の自治体の議会とも連携する。
(以上)

 日田市も規模こそ違うものの、一昨年の北部九州豪雨で大きな災害を経験し、行政も議会も有効な災害対応のあり方の確立が課題となりました。

 今回の視察で得た情報を活用しながら、今後の日田市の災害対策に生かしていきます!!

260818七ヶ浜移転地
(写真上・新たに高台に造成中の住宅移転地)

260818七ヶ浜田んぼアート
(写真上・復興を祈って作られた「田んぼアート」)